うにゃ

EO イーオーのうにゃのネタバレレビュー・内容・結末

EO イーオー(2022年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

イエジー・スコリモフスキ監督の作品で初めて観たのが「早春」。主人公の理性の効かない執着心と欲望が気持ち悪すぎて観た後に吐いた。見事にトラウマとなって、この監督の映画はニ度と観ないと思った。

が、この「EO」が出てきた。
観たくてたまらない。
悩んだ末、劇場では観ずに家で試聴。
観て良かった。

サーカスでのEOの生活って幸せなんだろうか?と思う所から始まった。
サーカスのない日は、男性に鞭で叩かれ荷物運びに使われている。
でも、ショーで組んでいるカサンドラはEOの事をとても愛していて優しくしてくれる。鞭で叩かれる時も庇ってくれる。

しかし、動物愛護団体によって「動物虐待だ!」と連れていかれてしまうEO。
悲しむカサンドラ。
連れていかれた場所で、幸せになるのかと思いきや綺麗な馬ばかりの場所で、馬のために労働させられるEO。
さっきの動物愛護団体って何?その場限りの自分の主張が通れば、後はどうでもいいの?
馬は綺麗に洗ってもらえるが、EOはそのまま。誰がEOのお世話してくれるの?
馬同士が喧嘩した際に、EOは棚を倒してしまい、また何処かへ連れて行かれる。
不幸な場所か…と思いきやそこでは障害を持つ子供達とロバが触れ合う農場。
農場の女性もEOに人参をすすめてくれるが、食べないEO。
前より平和な場所だか、他ロバが沢山いる中でひとりぼっちに佇むEO…。
そんなEOにカサンドラが彼氏と会いにくる。
「お誕生日おめでとう。人参ケーキよ。前も喜んだでしょ?」
ケーキを食べるEO。
彼氏が「ロバと俺どっちを選ぶんだ」とカサンドラに言う。初めはEOを選ぶが、2度目には「行かなくちゃ」と去っていく。

カサンドラを追いかけ、農場から出ていくEO。
森で狩人に狙われ、そばにいた狼?が殺される。
森を出て、その後も人間の都合に振り回される。漂う死。
EOが何度も思い出す。カサンドラとの思い出。カサンドラが自分を呼ぶ声。
胸が張り裂けそうになった。
ラストの展開には死を感じた。
カサンドラがいないと、生き返れない。


途中でイザベル・ユペールが出てきて驚いた。その役の人間関係もどうやら複雑そうな感じ。EOと比べてしまう。
うにゃ

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