ウルトラキャラメルコーン

逆転のトライアングルのウルトラキャラメルコーンのネタバレレビュー・内容・結末

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

「平等」ってファッションじゃね?
と言われてるよう。前作もこの監督はファッション的な美にアンチのスタンスをとっていた。

冒頭シークエンスはこの主張に集約されていると思った。貧富も男女も違いはない。平等を主張されると、言われた側は眉間に皺がよる。

原題の和訳は「眉間の皺」とのこと。「平等」を主張される時の違和感を表してるだろう。
トライアングルからはピラミッド構造を彷彿とさせる。平等というちょうどいい塩梅を保つのは難しい。

豪華船のくだり。従来の資本主義構造の中で、金持ちおばあちゃんのスライダー無茶振りからバランスが崩れる=船が傾く。

金=ビジネスとは、人がインプット・アウトプットするという意味で、豪華な飯と酒、糞とゲロと表裏一体で同義なのだろう。
共産主義のアメリカ人と新自由主義のロシア人がサシ飲みしているのも対立構造で一番近いポイント同士だ。

スライダー無茶振りからトライアングル=ピラミッドがひっくり返る。バランスが崩れた世界で金から汚物に変換される。
トドメの起爆剤は文字通りに手榴弾であり、爆発して構造の裏返しが完了となる。
この辺は声出して笑ってしまった。


ひっくり返ったピラミッドでは、金は意味がなくなる。無人島でのくだりで、金から解放されるとどうなるか見せつけられるのだ。
貧富と男女がひっくり返ってる世界というのはわかるのだが、少し長かったと思う。

ラストの主人公が走っている姿は皆さんどう捉えただろう??

サバイバルおばちゃんにインフルエンサー彼女は殺されてしまったのだろうか?というか、自分がピラミッドの頂点の世界を皆さんは壊せますか??ということだろう。

つまり、それが平等じゃね?出来なくね?と言われてる気がした。

嘘の訃報を聞きロバのように殺されたインフル彼女に会いに走っているのか、エレベーターに乗って元の世界へ帰るのか。

どちらにせよ、本作は「万引き家族」や「パラサイト」などのアンチ分断のカウンターの主張があるように感じた。


やっぱパルムドール作品好きなんだよな!!


しかし、バビロンといい本作といい汚物がよく出てくるなと思いました笑