Barboncuraさん

逆転のトライアングルのBarboncuraさんのレビュー・感想・評価

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)
4.4
都内に住んでいるメリットは、たくさん映画がやっているだけではなく、観たい映画館を選べるところもある。(そうでなければわざわざ高い家賃を払って住んでいるメリットは、美術館とお酒を飲みに行けるくらいだ)
「逆転のトライアングル」
知識人層が多いところの方が共感を得やすいか、それとも雑多な場所で観た方が、笑いが起きて楽しめるか。。結局映画はしごの流れで、新宿に行くことにした。映画館に着いてびっくり、MX4Dの劇場へ。
(いやいや、あるって聞いてないから有り得ないけど、ワンチャンそうだったら、予告編で観たあれやこれやをMX4Dで体験すんの?!)と戦々恐々してましたが、そんなことはなく。(ただ、揺れやすい椅子だったので変な臨場感があった。)

終始耳障りな雑音に感情移入を邪魔され、飯を奢る奢らないという不毛な会話に閉口し、見るに堪えない映像に目を瞑る。
でも、でも、それなのに面白い!
揺れる船体、汚物と化すセレブ、逆転する人間関係(社会構造)。それらを皮肉な視点から描くストーリーにニヤニヤしている観客は、最後のシーンで気付かされる。
ニヤニヤした自分の後頭部に銃口を突きつけ、ニヤニヤしている男がいることを。

そいつは映画を観終わった後にもずっとついてきて離れることはない。そいつの名は、リューベン・オストルンドという。