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アルマゲドン・タイム ある日々の肖像のchitchipapaのレビュー・感想・評価

3.4
ロナルド・レーガンが大統領に選出された1980年頃のアメリカを舞台に、ユダヤ人家庭の次男坊を取り巻く日々の出来事を描きながら、人間社会の不平等と窮屈さを我々に突き付ける作品です。
でも観ていてなぜかあの少年の味方になれないのは、彼の優柔不断さというか“意気地無さ”・・・むしろ彼の唯一の友人である黒人少年の方が凛々しく崇高に描かれていますね。
ユダヤ人も黒人も共にアメリカ社会で差別される側ですが、その差別される側でもユダヤ人が黒人に対して優越的な立場にあるという差別社会の複層的な構造も描いていて、決してハッピーエンドでないエンディングは観た者の心に“重たい何か”を残します。
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