やったカニ

CLOSE/クロースのやったカニのレビュー・感想・評価

CLOSE/クロース(2022年製作の映画)
4.3
本作はクィアをテーマに取り扱ってはいるが、本質はもう少し深い所にあると感じた。物語が動き出すきっかけはマジョリティがマイノリティに向けた視線なのだが、映画後半は、取り残された、レミと親密だった人に焦点が絞られる。恋人ではないし、親友とも兄弟とも少し違う二人の関係が、半分失われることで色濃く浮き彫りになる。
レミの母親がアイスホッケーのリンクに姿を現したとき、レオが言った「会えてうれしい」の一言を、レミにも言えていたらと思うと苦しい。
レオのまなざしはどこに向いているのだろう、と想像する。目の前の現実か、自分の中の罪悪感か、はたまた先の見えない未来か。
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