ピロシキ

トリとロキタのピロシキのレビュー・感想・評価

トリとロキタ(2022年製作の映画)
3.6
コンスタントにほぼ3年周期で新作を届けてくれるベルギーの巨匠による、アフターコロナ一作目。前作からの3年間でまた世界は大きく変わった。これによってダルデンヌ監督も変わったのかもしれない。いや、飾り立てる音楽もなく対象を淡々と追いかけるスタイルは今までと変わらないのだけど、ただいつもなら、最後には必ずささやかな希望を提示してくれていたはずだ。今回は、いつになく冷淡な印象を受けた。それが今の世界だ、ということなのだと思う。本当に庇護が必要な人間たちに、社会は何をしてあげられるのだろうか。自らの力で自らを助けるしかなかった幼い姉弟に、大人は何をしてあげられたのだろうか。綺麗事で済ませるつもりはない、という強い気迫を感じた。
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