無音のエンドロールを見ながら、作品のメッセージの重さを受け止める。
ダルデンヌ兄弟の作品は、社会的セーフティネットからこぼれ落ちた人たちの存在を可視化する。アフリカからの移民の少女と少年は、堅い疑似姉弟の絆によって社会を生き抜こうとするが、彼らをとりまく環境はあまりにも厳しく、無慈悲だ。弱い立場の子供たちを利用し、搾取する大人と戦うには、彼らが知ることができる世界はあまりに狭く、彼らはあまりに孤独だ。
苛烈な現実のなかで、狡猾さを持たず、まっすぐ生きることしかできない二人の痛切な姿に心打たれた。