CharlieZG

トリとロキタのCharlieZGのレビュー・感想・評価

トリとロキタ(2022年製作の映画)
3.3
姉弟のように支え合って生きる少年少女の話。
BGMなしのハンディ映像がドキュメンタリーを観ているよう。

母国を出た理由は分からないが、流れ着いた場所で真っ当に生きることは難しく、ビザのない者に社会は冷たく、結局生きるために裏社会と関わるしかない図式は正に地獄。

難民を犯罪の温床にしているのは社会制度だけど、無制限に受け入れると国の破綻を招いてしまう。ビザ取得の面接官がトリの質問に「力になれない」とキッパリ言うのも仕方ない。
そもそも政情不安や経済低迷などで母国にいられなくなるのが発端、日本人の子供が生活のために海外へ密航するなど聞いたこともない。
つまりトリとロキタを追い詰めたのは難民先ではなく母国によるものではないかな。

そんな厳しさの中で見せる2人の笑顔でようやく呼吸が出来るほど終始息詰まる緊迫感があった。


監督
リュック・ダルデンヌ
ジャン=ピエール・ダルデンヌ

キャスト
パブロ・シルズ
ジョエリー・ムブンドゥ
アウバン・ウカイ
タイメン・ホーファーツ
シャルロット・デ・ブライネ
ナデージュ・エドラオゴ
マルク・ジンガ
CharlieZG

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