CharlieZG

オッペンハイマーのCharlieZGのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
3.9
天才ロバートと凡人ルイスの確執物語。

ルイスは努力家で凡人としては出世頭なんだけど、2人の見ている目線が違い過ぎてルイスが哀れに見えた。
策略のキッカケが “えっ❗️そんなこと⁉️” と呆れる始末。

そんな2人の話を軸に、マンハッタン計画成功の栄光と、原爆投下による核拡散のトリガーを引いてしまった罪意識の狭間で苦悩するロバートを通し、強烈な音と映像で現実世界へ警鐘を鳴らすノーラン監督の強い意志が感じられた。

世界の評価が高まる中、日本公開がなかなか決まらなかった理由が鑑賞して初めて分かった。
日本を終戦へ追い込んだ原爆の成果を讃えるオッピー大合唱には日本人として怒りを感じた。
映画を観て涙が出ることは珍しくないが、怒りで涙が出たのは初めて。
でもあれがアメリカ人の率直な感情なんだろうな。

しかし映画はそんなことがテーマではなく、あれからパンドラの箱が開けっ放しの現代を憂い、改めて危機意識を世界の人々に知らしめるための声高らかな叫びに聞こえた。

ノーラン監督お得意の時系列崩しと台詞の多さでやや難解に見えるけど、さすがアカデミー賞7部門制覇しただけのことはある素晴らしい作品だった。


監督 クリストファー・ノーラン

キャスト
キリアン・マーフィー
エミリー・ブラント
マット・デイモン
ロバート・ダウニー・Jr.
フローレンス・ピュー
ジョシュ・ハートネット
ケイシー・アフレック
ラミ・マレック
ケネス・ブラナー

音楽
ルドウィグ・ゴランソン
CharlieZG

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