SAKUMATHENERD

クライムズ・オブ・ザ・フューチャーのSAKUMATHENERDのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

出ました!うねうねする有機的なマシーン、歪んだ進歩を遂げたエロス!感染症と痛みを克服してしまい衛生管理に気を使わなくなったからこそ逆に退廃的に変化してしまった終末を感じさせる近未来。そこでのSEXのありかたやショーの進歩の仕方たるや、癖強すぎでしょ!ガジェットを見てもブラウン管TVや古めのカメラだったり建築物もビル街というよりは古風なヨーロッパの建築物中心で、クローネンバーグ御大しか思いつかないような独自のアイデア、世界観に魅了された。
                                                                                                
互いを切り刻むSEXはまだしも、内なる美とか言って性格等ではなくガチで内臓覗きして楽しみ始めちゃう人類ヤバイ。これ思いついちゃうのヤバイ。ただ好奇心は過激にドライブしていくもので痛みや病気がない世界で一部の人がこういった趣向に目覚めてまうのはギリわかる。こういった人の性は御大が一貫して描いている部分でもあります

終盤に差し掛かる手前、クリスチュアンスチュワート演じるティムリンがじっとり迫ってくるオールドスクールな性描写もあれば、未来的なカプリース(レア・セドゥ)が金平糖みたいなものを額に取り付けてのセックスアピールは笑ったし、そのあと腹にジッパーモーテンセンとじっとり絡みあう所には頭飛びました。

盛り沢山の有機的マシーンは今回は介護的な役割を担っており、機能不全を起こした体の一部としての拡張を部の役割を担っている中、ショーで使われる"サーク"は本来の役割から外れて臓器取り出しショーでのツールとして活用されているのが興味深い。外付けの脳みそみたいなリモコンもギタギタした光沢で気味悪さを漂わせながらの小型で持ち運びやすそうな可愛らしいギャップもたまらない。

いままでのクローネンバーグ映画では、人から外れたものは悲劇を迎えますが、今作での主人公はもうご満悦!進化を楽しんでいるように見ました。御大のインタービューから人体の改造拡張に関する価値観が良い意味でポジティブに行くとこまでいってきるのが伺える所からも、常人ではたどりつけない領域に辿り着いていると感じました。この人やっぱり変態です!!
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