相変わらずテーマと世界観に一辺倒、ドラマ部分なんかどうでもいいや!と言った作劇。
そして、これまた相変わらず金属フェチで、手術マシーンに乗せられ内臓を摘出されるシーンを「あれはSEXね」と露骨に揶揄するセリフだったり、痛みが無いからとエロティックに身体にメスやナイフで創傷していくシーンは、「クラッシュ」の時から変わらないクローネンバーグ節かと。
でも、傷口を作ったり手術はSEXと相手の身体に変化をもたらすことにエロさを感じるのはわからんこともない。
そこにまた、アートとはなんぞや?とか進化を含む人間像とは?、またそれが複合すれば?等と色々と提示してくるので、見ている側としては頭の整理がまったくおいつかない。
完全に観客置き去り型作品。
また、世界観の話に戻るけど、スマホなんかを徹底排除して、反デジタルと言わんばかりに8mmフィルムを回してたりする未来描写が独特で好き、デジタル排除したと思いきや指輪型カメラなんかがあったり、食事介助椅子のシーンは笑ってしまうけど。
あと、テーマ的に親和性のある身体改造も盛り込まれていて、インプラントもちょっと吹き出しそうになった。
個人的には、退廃的エロティックコメディ。
レンタルDVDで見たけどモザイクはやめてくれ。