ちろる

インランド・エンパイアのちろるのレビュー・感想・評価

インランド・エンパイア(2006年製作の映画)
3.8
あーー難しかったー!そして疲れた!
実は2回ほど断念して3度目の正直。
「ロスト・ハイウェイ」と「マルホランドドライブ」の迷宮入り系世界観はたまらなく好きでどハマりしたんできっとこれもどハマり・・・期待してたんですが、私の浅い思考力ではしっかりと映像の全て表現された意味を理解できてない気もする・・・
とはいえこの多重構造で鑑賞者を惑わす難解パズルのようなプロットはデビット・リンチらしくユニークで、またまたリンチの変態っぷり、そして意地悪っぷりを垣間見ることができる。

①ローラ・ダーン演じる女優ニッキーが新作映画『暗い明日の空の上で』の主役をゲットし女優として再起を願う
(冒頭顔の怖いおばさんが、占い師のように怖いことを言いに来る)

② 『暗い明日の空の上で』のスーザン(ローラ・ダーン)はハリウッドの豪邸に住むビリーとW不倫中。

③ 『暗い明日の空の上で』の元ネタとなったポーランドの映画作品『47』の中のW不倫する男女の物語

④3匹の洋服を着たウサギ人間が薄暗い部屋にいて意味不明なやりとりをするコメディ?番組のような映像。

⑤これらをテレビ越しで眺めている『47』の主演女優ロストガールのいる小部屋

と。幾重もの次元が繋がっている構造をラストまで観た時にようやく、あぁこれはやっぱ映画作品なんだね、、と理解できるんですが、それまでの道のり長!(それまでコラージュでずっとリンチに馬鹿にされてる気分w)
敢えて画質の悪いデジタルビデオで撮影されたこれらの映像、これがとても不気味な雰囲気を後押ししていて、観にくいんですが、「カリガリ博士」システムのリンチ作品においては、この形も効果的なのだとは分かる。

正直いえば散りばめられたパズルの個々のピースは退屈なのに、摩訶不思議な映像とピースをはめ合わせるその行為に必死にさせ、リンチの術中にまたもやはまる。

ラストまで観た時に私は広い意味で『女性賛歌的』作品のようにも捉えたたのだけど、これと多分観る人によって解釈は様々なのだろうか?

まだ全部のキーワード的要素がぴったりとハマりきらなくてスッキリできてないから、もう一度だけ時間ある時に観てそれから町山さんとかの考察に手を出そうか・・・悔しいけどね。
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