岩嵜修平

ノック 終末の訪問者の岩嵜修平のレビュー・感想・評価

ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)
3.6
表面的には、相変わらず独自のセカイ系を突っ走るシャマラン作品!とは言えるものの、本作は同性愛カップルにアジア系の養子、宗教、環境問題など様々な現実のテーマが横たわっているので、ただ、笑ってばかりはいられない。人生における様々な「選択」が大きなテーマと思うが…。

原作ありというのが驚くくらいシャマランな作品だったものの、黙示録のような現実にある物語(でもないのか)を作中で引用するのは珍しい気もする。ここら辺、新たな一歩だった(元は別の監督の予定だったとか)ものの、過剰な音やゴア描写をせずに、しっかりとスリルを味あわせてくれる手腕は流石。

デイヴ・バウティスタ(ドラックス!)の登場するだけで怖さを感じさせつつ、中身はアレなキャスティングは最高だったし、ポスターアートも印象的だったクリステン・ツイも見事にホラー演出の受け身を取ってた。四騎士側のキャラの濃さに比べてゲイ(役者本人も)カップルの薄さは狙ったものだったか。
岩嵜修平

岩嵜修平