何なんだ、この映画は…。1900年（日本では明治33年！）を舞台にした映画とは言え、創作としても妙にリアルだし、現実としたら不可解過ぎる。原作者がそもそも事実かを公言しないスタンスだったそうで映画もそれを踏襲。オープンエンドで、でも、観客に何かを残す。
パンフでも言及があったが、格式ばった学園の中で、失踪した4人から失われていたものや、1人残された生徒の人物造形、あまりに絵画的な撮影とそこからの離脱を鑑みるにフェミニズム的な意図があったのは明白で、それを男性監督が1975年に手掛けたというのも興味深く、改めて今、公開する意義を感じる。
あまり触れてこなかったオーストラリア製作映画ということで、ジョージ・ミラーとは全く異なり、且つ、他の英語圏とも異なるテイスト。監督のピーター・ウィアーは後に『トゥルーマン・ショー』や『いまを生きる』を手掛けているということで、製作する国によってもテイストは大きく異なるのだなと。
