とにかく映像が良かった。
美しく壮大な山々の姿に圧倒されたし、澄み切った空気をスクリーン越しに感じ取れるかのような体験だった。耳を澄ませると聴こえる小鳥の囀りなど、音響も素晴らしかった！
ピエトロとブルーノの揺るぎない友情！熱いハグを交わしたり、時には何かを察して、干渉しないところは干渉しなかったりする関係性が素敵。
RRRのビームとラーマみたいですね、ビジュアルもなんか似てるし(?)
ピエトロには共感できる部分が沢山ありました。本当の自分を模索するピエトロにとって、揺るぎない自分の信念やあるべき姿を確立したブルーノは憧れでもあったはず。その羨望の眼差しは小さい頃からずっと変わらなかったんだと思う。
ピエトロにとっての山は、そういった自分の内面を曝け出し、自分自身と向き合える場所だった。
そして、そのような山を通じて、かつて断絶していた父親の想いが、雪が溶けるようにじんわりと心の中に入っていくような過程も印象的でした。一方、その分だけ過去を悔いる描写もかなり説得力がありました。過去はやり直せないんや……
陳腐な表現になってしまうけど、ピエトロの父とブルーノは心の底から山を愛していた。その何段階も深い箇所にある想いに、ピエトロは憧れつつも自分には手に入れられないものだと思っていたんだろうなぁ。
帰る居場所のような場所だった山は、いつしか帰れない場所へ変わって行ってしまったのだろうか。そう思うような心境の変化があった？最後は少し切なかったです。
"八つの山"の逸話は、色々考えさせられましたね…
あーだこーだ書いてるけど、登山したくなりました。
淡々と、それでいて緻密に友情を描いた素晴らしい作品でした。
