ベンジャミンサムナー

ミセス・ハリス、パリへ行くのベンジャミンサムナーのレビュー・感想・評価

3.0
 人間、歳を取れば行動に対する動機が複雑していき、腰が重くなっていく。

 中年の未亡人であるエイダが「綺麗なドレスが着たい」というシンプルな動機で突き進む姿は痛快であり、歳を取っても動機はこれぐらいシンプルでいいのかも、と思わせてくれる。

 それ自体は良いのだが、序盤の資金集めの下りが茶番なのと、ディオールを解雇された女性たちを引き連れて抗議しに行っておいて解決策は人任せ(あの男のモデルがイブ・サンローランとはいえ)な事や、自分と同じ"透明な女性"(社会的に認知されていない女性)たちが作ったドレスを一部が焼けたとはいえ川に投げ捨てるのはどうかと思う。