にく

ヴィレッジのにくのレビュー・感想・評価

ヴィレッジ(2023年製作の映画)
1.9
藤井道人『ヴィレッジ』(23)。薄っぺらい。どこか(横溝というより最近の漫画)で見たよな「山村」エピソードに終始。この脚本では監督も苦労したろう、と思ったら兼業だった。キャスト先行の企画だったか。田舎の地縁・血縁・因習は一朝一夕には理解できないだろう。悪意ではなくて善意が問題なのだ。
 能面と俳優の顔(表情)のイメージにこれといった照応もない。どこまでも不自然なCG製の風景にステレオタイプしかいない杜撰で差別的な「村人」描写。低予算でよく頑張った、能のシーンも迫力あったで済ませられる話だろうか、と一田舎出身者としては思う。山上たつひこ原作『羊の木』と比しては酷か。
 ああ、思い返せば、最初の能のシークェンスの最後の挙動(突如として横臥するシテ)はヒロイン(黒木華)のあのベッド(寝床?)飛び乗りシーンに繋がっているのか、などと思わなくもないが、深読みかも知れません(構図が違うので)。
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