ぽーちゃん

ヴィレッジのぽーちゃんのレビュー・感想・評価

ヴィレッジ(2023年製作の映画)
3.1
本当っに、救いがなかった。

“閉鎖的なムラ社会“の中での事件を描いているようで、でも、そんなムラから大都会に逃げ出した美咲も結局は逃げ帰ってきて、、、、、、
邯鄲の盧生は全てを悟り、満足して故郷に帰ったからこそ、故郷で伝統的に伝承された能を心の支えにしていた美咲は邯鄲のシテの面を手に故郷に帰ることを選んだのだろうけれど、、、、
つまりは、これは今の日本社会の構図なのだ、と暗澹たる気持ちになる。
どんなこともパワー(お金や腕力、権力やカリスマ性)や数がモノを言い、正しいことを正しいからこうしよう、と言えなくなっている。
どころか、正しいことを言った者が、居場所をなくしてしまう、もしくはそこにいることに見切りをつけて去ってゆく、、、、

だからアタシはいつも“正しいことが通らない組織からは逃げて良い“と思っているけれど、逃げた先でも正しいことが通用しないなら、、、、???
腕力(暴力暴言)や数の力(流言飛語)でねじ伏せられてしまうのだとしたら???
正しいことに拘ろうとすればするほど、孤独感を募らせ、自暴自棄になって、、、、シナリオは最も簡単に描けてしまう。

そんな世の中は嫌だ!!!!!!!!!!!!!

事実をただ黙って見つめ続け能「邯鄲」の謡を口ずさみながら炎に包まれた老婆の生き方が、現代にいじめもいじめられもせず生きる多くの人たちの姿なのか?????

中村獅童と作間龍斗に微かな希望を残しているのが脚本の力かな。
ムラを出た若者の未来が明るいことを願わずにはいられない。
ぽーちゃん

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