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ヴィレッジのmsyのネタバレレビュー・内容・結末

ヴィレッジ(2023年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

一炊の夢でまとめるには、村の栄華が能の舞台のみで、村人が舞台を支える描写もなく木野花演じる老母も語り部になるでもなく、ゴミ処理場も観光名所になるほどの見どころが感じられず、大きすぎるテーマに感じられた。
ただ、横浜流星の瞳が夢のうたかたを体現して余りあり100年後にはこの美しい人もどこにも居なくなるんだな…というような悟りを得ることはできた。最後に優が仕事のジャンパーを着てるところも切なかった。辛い時はこのお面を被って、と能のお面を美咲に渡されるところは確かに村の閉塞感が伝わって、むごい、と思った。お布団に顔埋めて叫ぶほうがはるかにマシだわ。
それにしても美咲は優を抜擢したら恨み嫉み買うの分かるやろ…それでも村を離れない人々の異常さを描いていたのかもしれないけどとにかく美咲にはイライラした。(黒木華主演のドラマ「僕の姉ちゃん」が大好きなのであとでそれ見て口直しした)

唯一曇りなき目の恵一が、悪いこと見つけたから報告をした、その相手は村を出て行った光吉さん、最後には自分も迷わず村を出ていくそのエンディングが見事でおお!ってなった、その説得力のためにももっと村社会に囚われる人のドラマに工夫が欲しかったです。昭和のサスペンスドラマみたいで残念だった。
透を演じた一ノ瀬ワタルは優を殴りながら悲しい目をしているように見えて、そこもっと掘り下げてくれたら…と思った。ずっと悪役を演じてきた彼のドラマ「サンクチュアリ」とても楽しみ。マ・ドンソクみたいなワクワクさせてくれる役者さんになったらいいのにな。
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