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梟ーフクロウーのmsyのネタバレレビュー・内容・結末

梟ーフクロウー(2022年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

1645年、清から朝鮮に戻ったソヒョン世子が2ヶ月後命を落とした。目や耳、鼻や口などから出血し、薬物中毒死のような姿で。
ソヒョン世子は国のために清に人質として出向き8年過ごしたが、その父である国王仁祖から親清になったとして憎まれることになり、そのため毒殺されたと疑われるものである。

この史実を膨らませ「毒殺」に関わる鍼師たちの攻防を描いた本作、最高にドキドキハラハラしました…!
韓国の時代劇を初めて見たので、「世子」が世継ぎの王子ということも知らず、他にも知らない単語に苦労はしましたがすぐに慣れて楽しむことができました!

主人公ギョンスは盲目の鍼灸師だが、実は暗闇ではかすかに視力が戻る。まずはその明かされ方が巧み。御簾の奥にいる女性の患者の元へも盲目だから行くことができるのだけど、ギョンスは健気にぎゅっと目を閉じるんです、その姿とか、夜灯りが消えた瞬間にギョンスの目が輝いたり、見えてる、と思わせるリュ・ジュンヨルの表情が良すぎる。
そのあとも、犯人に気づいたギョンス、証拠を握ったギョンス、怪我して傷が痛いギョンス、病気の弟のために自分が捕まるわけにはいかないギョンス、全てにおいてリュ・ジュンヨルの表現力が尊かった…

世子の家族が滅ぼされる残酷な史実も描かれておりしんどい部分もあるが、お笑い担当のパク・ミョンフンや、ギョンスが世子に賜った拡大鏡など、ちゃんと息継ぎできるポイントつくってくれてる。ギョンスが生き延びるエンディングにも心救われる。そこまではほんとに一気にジェットコースター。面白かったです!

ちなみに同じ世子暗殺がモチーフと思われるドラマ「魅惑の人」を見始めましたが、人物の設定が全然違ってた。いろんな解釈で物語作るんだなあ。韓国の時代劇ハマりそう!
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