村社会、同調圧力、閉鎖的な空間、どこか他人事ではないテーマを力強い映像と演技で描く力作。
とことん薄暗い中で、炙り出される様々な闇や問題、終始、異様な雰囲気が漂っており、どこか危うさが見え隠れする嫌な緊張感が続き、見入ってしまう。
ロケーションの良さを生かした画作りも素晴らしく、メタファー的に出てくる霧を上手く使って演出しているのも見事。
物語が進むにつれて雰囲気がどんどん変わってくる優を力強く繊細に演じた横浜流星さんがとても素晴らしかったけど、脇を固める俳優さんたちの存在感も見事。
特に奥平大兼さんと作間龍斗さんが印象的だった。
ただ「新聞記者」「ヤクザと家族 The Family」の衝撃を超えていなかったのは少し残念でした。
でも、藤井監督の社会問題をテーマに作品はどれも素晴らしい。
「この世界のなかで、今」