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ダークグラスのblacknessfallのレビュー・感想・評価

ダークグラス(2021年製作の映画)
3.7
アルジェントの新作。思ってたより3.5倍ぐらい良かった。

娼婦だけを狙うシリアルキラーにターゲットにされたナディアはシリアルキラーに追われカーチェイスでシリアルキラーの車に追突され逆方向から走行した車と正面衝突する。
ナディアは盲目になる。尚も彼女を狙うシリアルキラーの魔の手が迫る。ナディアはその事故で両親を失った中国人少年チンと傷を負った者同士の友情を築く。視力を失ったナディアは両親を失ったチンの助けを借りてシリアルキラーに立ち向かう。

娼婦専門のシリアルキラー、狙われる娼婦。
2020年代らしからぬまったりとしたテンポ感と意図不明だがインパクトのある謎演出。鮮烈でマニアックで倒錯的美意識のあるゴア描写。アルジェントの作家性がイタリアが産んだサスペンスの徒花である"ジャッロ"の鋳型にたっぷりと注入されていた。
もうあの頃のアルジェントじゃねぇかって感じで最初からハマリ込めたね。
近年の(と言っても10年、15年前になるが)作品は「どうしちゃったんすか?」と困惑する映画が多かったので非常に嬉しい😃🎶

しかも、それだけじゃなく80を超えて新境地を見せてくれた驚きもあった。
盲目になったナディアと両親を失った少年チンの関係を是枝裕和監督やヴィットリオ・デ・シーカ監督、チャップリンの映画のようにとっーーてもエモく切なく愛おしく描いているんだよ。アルジェントの映画で寄る辺のない社会的弱者同士の美しい友情物語が見れるとは思わなかったぜ😃

これはジャッロというジャンル自体に新たな可能性提示した意欲作だ。おれはそれを「ヒューマン・ジャッロ」と名付けることにした😏

それとタイトル、『ダークグラス』にちなんでサングラス🕶️着用、所持の客だけに特製ステッカーをプレゼントするキャンペーンやってて、全然知らなかったんだけど、普段からサングラス🕶️者なんで貰えてラッキーだった。理不尽な職質喰らう要因の1つなんだけどめげずにサングラスしててよかったー🕶️😎✨
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