blacknessfall

ベイビーわるきゅーれ 2ベイビーのblacknessfallのレビュー・感想・評価

4.1
前作は見せ場であるゴアやアクション以上にまひろとちさとがワチャワチャしてるシーンがよかったという声が多く、阪元裕吾監督もそこに手応えを感じてのことか、その声に応えたキュートでポップなシスターフッド・プログラム・ピクチャーに仕上がってる。
前作にはまだまだ色濃く残ってたゴア・スプラッター生まれ秘宝系育ち丸だしの悪趣味ゴアや厨二的な露悪な演出はすっかり鳴りを潜め、純粋に2人のキュートな女性殺し屋の日常でのドタバタコメディと2人の関係性、さらには前作で裏方モブ的だったマネージャーや死体処理班の男女もストーリーに積極的絡め彼等の魅力を引き出しシリーズモノとしての奥行きを出すことに成功してる。
自分が昔から阪元裕吾監督に感じてたイキりオタク的な嫌ったらしさが皆無になっていて初めて全部手放して楽しめた。いやとこ1つもなかったよ。『ファミリー☆ウォーズ』の色々分かった気になってる薄っぺらいオタクの脳内を開陳されたような不快さが皆無なんだ。

本作はまひろとちさとにライバルが現れる。下請けの立場の甘んじてる殺し屋兄弟ゆうりとまこと。
本シリーズは『ジョン・ウィック』と同じで殺し屋が業界化していて属する組織や立場があり、厳格なルールとしきたりに縛られている。
マンガ的にかっこよさがあるジョン・ウィックと違ってこっちは現実の日本の経済状況に準拠してる。なのでこの下請け兄弟は安い報酬と酷い待遇、そこで元請けの殺し屋であるまひろ達を殺り自分達がそのポジション収まろうとする。
この兄弟がとっても魅力で職業こそ現実離れしてるが苦境からのし上がろうとする泥臭い反骨心と若者らしい普通の愛らしさが同居した主人公の2人とは違った心地良さがある。
特に兄のゆうりは韓国映画の俳優のような暑苦しいリアリティがあって目を引く。この2人が前作になかった彩りと重さを加えている。現代のクソさ加減を反映させ世界観を身近なものにしている。
そんな愛おしくなる二組の殺し屋コンビがお互いの立場に共感を覚えつつ成り行き上殺し合うことになるベタで切ない青春悲劇になるのがいい。
この狂った設定に暴力が吹き荒れながらもホノボノとして人に愛嬌があり実はモラルと哀切のベタなストーリー、まるで全盛期の東映のプログラム・ピクチャー・キング 鈴木則文監督のようなグルーブを感じた。則文監督のようなエロや下ネタは皆無なんだけど、エロやバイオレンスに過度に頼らなくてもそういう映画が作れるということなんだろう。

実はこれ、2週前に観てたんだけどレビュー書こうかなと思ってた日にトレーニング・ジムで突如、意識喪失し頭と顔を打ちつけ30分ぐらい身動きができなくなってしまった。
後から周りの人やジムのスタッフ聞いたことで自分としては寝かされて声をかけられて意識が戻り当時は自分がどうなったのかわからなかった。介抱されてる時にかなり受け答えはしっかりしてたらしくかなり話してるんだけど、自分的には3割も覚えてなかった、、
一時的とは言え低酸素脳症になったから体調がおかしく原因を調べるための検査なんかもありレビューどころではなかった笑
今だ体調も回復してないのでレビューのペースは落ちる、てか、どうなるかわからない。
皆さんのレビューを拝見するペースも落ちてしまうけど、リムらないでくれよな🥺
blacknessfall

blacknessfall