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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎のblacknessfallのレビュー・感想・評価

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)
4.5
傑作だとは聞いていたし敬虔な水木しげる先生信徒なのにNETFLIXの『悪魔くん』があんまりな仕上がりだったからスルーしちゃってたんだよ。アマプラ見放題落ちでよーやく鑑賞。

これ、マジでマジでマジですげぇすげぇすげぇ傑作じゃねーかあああああぁァァァーー!!!

呪われた田舎の名家の反映の秘密を探る横溝正史を意識した本格ミステリーを土台に江戸川乱歩のような妖しい猟奇性を濃厚にまぶした世界で戦中、日本軍の非人間性と戦後処理の欺瞞に絶望した男と水木と目玉👁になる前の鬼太郎父がバディになり日本の腐敗と欺瞞と抑圧と不条理を象徴したような名家及びその村落の悍ましい真実を暴くストーリーラインは鬼太郎シリーズでよくもここまでやれたなと関心するほどハードでシリアス。

アニメ6期の映画ながらアニメでお馴染みのメンバーはほぼ出てこない。鬼太郎でさえ10分も出ていない。そういう意味で異色作という位置付けなるのかも知れないが、しかし、水木しげる先生の尊いスピリッツが鮮烈に刻み込まれてるという意味ではこれほど正統派の鬼太郎映画はないと思う。
とにかく、話の中で水木しげる先生が憎んだ、国のために死ぬをことを美徳とする軍国主義、金のためなら他人を犠牲にするのも良しとする経済至上主義をこれでもかと言うほど辛辣に糾弾してる。のみならず、現代になり省みられるようになった家父長制で蹂躙される女性の権利の問題にもしっかりストーリーに組み込んでいる。あらゆる支配を嫌う水木しげる先生のスピリッツの尊重としてこれは絶対的に正しい。
本作の悪役である名家の祖父に日本の醜さを象徴させてるから彼と水木と鬼太郎父の戦いから、それら日本の汚点が鮮明を鮮明に浮き彫りにる。そして未来の希望と生命の尊さを訴えかけるラストに不覚にも泣きそうになってしまった。

これだけ完璧な映画なのに水木マニアを自称してる人間の一部に酷評している連中がいる。
墓場の鬼太郎との繋がり蔑ろにしてるとか、妖怪が出なさすぎとかね。こいつ等は多分、いや、絶対に水木先生のファンじゃなくてただのオタクなんだよ。今のオタクは本質を捉えることができないじゃん。そのくせ些末なディテールの差異をばかりに拘ってトリビアルでありさえすればいいと思ってるくそっしょうもないスノッブ気取りのバカだからさ、作品を概念で捉えることができないんだよ笑
もっと言ってしまうと、本作、権威主義や差別、強者の理論、というオタクが大好きな腐った思想を完全否定してるじゃん、本能的にそこが気に食わないから文句言ってるだけなんだよ。その証拠にオリジナルと違うとか言っときながらスーパーモデル級のスタイルで美少女化したねこ娘に何の疑義も呈さずナチュラルにそしてキモく萌え狂ってるじゃん🤮
逆に言えばまともな人権意識もなく萠えしか基準を持たぬオタクに嫌われるってことは本作が普遍的な名作だってことなんだよ😏
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