真っ黒こげ太郎

KG200 ナチス爆撃航空団の真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

KG200 ナチス爆撃航空団(2022年製作の映画)
4.3
ドイツ軍《KG200》の極秘任務機を撃墜せよ!!!

(昔ぬいまげ(Nu Image)辺りが制作してた様な)
極限のドッグファイト・エンターテインメント・テイクオフ!!!




第二次世界大戦真っ只中の1944年、ナチス占領下のフランス。
イギリス軍の爆撃部隊ウルフ・ハウンドは、B-17爆撃機の護衛をしながら敵基地の爆撃作戦に向かう。

しかし、味方に偽装したナチス軍の襲撃を受ける!!
激しい空中戦の末に一機を撃墜し、多くの犠牲者を出しながら不時着したホールデン大尉だが、生き残った仲間達はナチス軍に囚われてしまう。

ホールデン大尉は仲間を救う為に奮闘する中で、ナチス軍のとんでもない計画を知る。
味方の爆撃機に偽装して、ロンドンに強力な爆弾を投下しようとしていたのだ!!!
ホールデン大尉は仲間を助け、ロンドン空爆計画を阻止することができるのか!?




敵戦闘機に偽装するイギリス空爆部隊がナチス軍に戦いを挑む、スカイ・コンバット・アクション映画。
全く話題になってない完全に無名のドマイナーな戦争映画(爆)だが、某所のレビューで火薬が多めのドンパチ系コマンド物と聞いてレンタル。


お話は「敵軍の襲撃を受け仲間が捕まったので、助ける為に敵地に乗り込んでドンパチ」という第二次世界大戦系にしてはベタな内容。
が、今作は登場人物の個性が皆無に等しく、誰が誰か分かんなくなることがしょっちゅうある。

特に冒頭で展開されるスカイファイトシーンは結構な迫力なのだが、登場人物の掘り下げが冒頭から皆無すぎる所為で、誰が敵で誰が味方なのかの位置関係が全然分からん!
スカイファイト後は地上戦となり、主要人物が絞られ「生き延びた大尉」「弟を殺された敵軍パイロット」「敵軍に捕まった仲間達」と、解りやすくなるのだが、そこに至るまでの”入り”が上手くいってないように思えた。

後、純粋にこの手の単純明快なB級アクション物にしては尺が長い。
テンポは普通ぐらいだし、捕まった兵士や弟を失った敵兵の兄等のドラマに加え、クライマックスでは敵地脱出に加え、空爆計画の阻止とかも展開してるからしょうがないけど、流石に130分は長すぎる。
90分未満は無理かもしれんが、せめて100分とかその辺りに収めて欲しかったなぁ。


そんなこんなで欠点が目立つ本作だが、火薬満点のコマンド・アクション映画としては十分面白い。

本作のアクションは銃撃&爆破と戦闘機の空中戦がメイン。
冒頭の空中戦は敵味方の区分が付きにくい欠点があったが、空中戦では実際に戦闘機を飛ばし激しいドッグファイトを展開!!!
銃撃戦はしっかり薬莢が出るし、空中でも地上でもしっかり火薬の大爆発があちこちで大展開し、やられ役(スタントマン)が吹っ飛びまくる!!!
(戦闘機爆破はミニチュア爆発で演出されてるのも好感触。)
アクション演出はベタだが、泥臭いドンパチ戦闘は満載で、コマンド・アクション映画としては申し分なし!!!

ドラマに関してはそこまで良く出来てる訳ではないが、中盤、主人公が仲間救出を始めてからは、複雑な登場人物も絞られてドンパチも多めになり、そのままアクションの連続で最後まで飽きずに見れました。
クライマックスの爆破阻止展開もハラハラドキドキで手に汗握るぞ。



確かに真面目な戦争モノとして見ると内容は荒唐無稽すぎるし、人によってはただ単純にドンパチしてるだけに見えるだろう。
まぁ実際に俺が火薬系コマンドアクション映を渇望していただけだろと言われたらぐうの音も出ませんよ。
(因みにドイツ兵が英語使ってる件に関しては吹き替えで見るなりして誤魔化しましょう。w)

とは言え、VHS時代に消滅してしまったかに思われた火薬系のドンパチコマンドアクション映画が今も作られレンタルの新作に並んでいる事は嬉しいし、最近のハリウッド大作アクション映画でも忘れてしまった火薬の良さを存分に味わえたので、私的にはかなり満足しましたね。

過度の期待は禁物ですが、火薬のドンパチやコマンドアクション映画を求めている人は見て損はないでしょう。
かつてのヌー・イメージ(Nu Image)の火薬系コマンドアクション映画が好きな人とかには是非ともオススメでっせ!!
(客層が狭すぎるだろ)