なな

ファンタスティック・プラネットのななのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

WOWOWのYouTubeで限定無料公開されていたので、気になって視聴。
フランス語+日本語字幕で、フランス語まったくわからないんだけど、それが逆に世界観に合っているように感じられて良かった。

どんなことしてどんなもの食べてどんな人生送ったらこんな物語考えられるんだよ、って笑えてきちゃうくらい、不可解なのになぜか腑に落ちてしまえる世界観が凄すぎた。

映画というより、言語の添えられた芸術作品、っていうほうがしっくりくる。

最初の方はずっと不気味で怖いんだけど、主人公が逃げ出してから、かなり内容にのめり込める。
ドラーク人という非人間が、人間のなかに「高等人種」と「野蛮人種」の2種類を見出してるの、なかなか皮肉効いてるな、と思った。
ドラーク人という共通の敵が現れて初めて、盗賊が村人との戦いをやめる(戦う相手が変わる)のとか、風刺っぽくて鋭い。

YouTubeのコメントでは、最後、ドラーク人と人間が和解できてよかった、ってあったけど、私にはそう思えなかった。
ドラーク人がカメレオン?みたいな動物を、ペットとして飼って抱きながら「勉強」している最後のシーン、かつて主人公がしていたように、ペットも勉強しようとしているように見えた。
ペットとする対象が「人間」じゃなくなっただけで、構造は変わってないやん、ってなった。

元々、動物をペットとして飼うことには、(彼等は生き方を選べないという点において)懐疑的な側面が含まれると思っていたけれど、今回これを見てその思いが強くなった。
「ペット」になりたい個体がいるのと同じくらい、そうじゃない個体もいる。犬でも、猫でも、はたまた人間でも。
なな

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