さすらいの用心棒

ファンタスティック・プラネットのさすらいの用心棒のレビュー・感想・評価

4.0
巨大な青いドラーグ族によって虫けらのように扱われる人間たちの逆襲を描いたフランスのSFアニメーション。


小学生の頃見ていたら確実にトラウマとして生涯残り続けただろう映画。

宮崎駿がヒエロニムス・ボスのような画だと指摘したらしいが、そんな生易しいもんじゃない。一本見終えるまでにかなりの体力を消耗してしまった。

不快なだけの作品ならいくらでもあるけど、人を嫌な気持ちさせながらも、目を離させない魔力をもった本当に不思議な映画だ。あまりにも独特すぎる。

宗教の名の下にヒトや動物問わず生命を虐殺してきた人間への戒めともとれるし、虐げられた人間たちが「テラ(地球)」に移住して他の生命に同じことをしている現在をあざ笑っているようにも思える。見ているあいだに沸き起こるこの不快感は、いまの自分らが行っている罪悪に直結しているせいだろうか。