sensatism

ファンタスティック・プラネットのsensatismのレビュー・感想・評価

2.9
2020/119
宮崎駿のナウシカっぽさを感じた、最近の作品だと思っていたので絶対ジブリの影響受けてるやん❗️と思っていましたが逆でしたね。世界を支配しているはずの人間が後退生物として高度な生物から虫螻同然にあつかわれたり、ドラーグ族とオム族の大小関係だったり、動植物の造形だったり、ナウシカに通じるものが多かった。
「ナウシカたちは実は小人族なのではないか」という噂がまことしやかに流布しているが、その根拠はこの映画だったのかしら。
また『もののけ姫』で乙事主が「みんな小さくバカになりつつある」と嘆いていたように生物の大きさの対比はそのまま知能や文明の優劣を示しているのかもしれない。
あと、オム族がドラーグ族の生殖の秘密を知るところ『シュナの旅』にて主人公が地の果てで人間が巨人(もしくは水)へと変えられてしまう場面を目撃するシーンに構造が似ている。

全体的な絵のタッチやオム族の顔の造形の感じ、なんとなく昭和のポスターっぽさない?なんというか劇的で線が太い感じ…

ユートピア・ディストピアその両面がない混ぜになった混沌がこの作品。
宮崎駿がヒエロニムスボスに似ていると言っていたようなので「快楽の園」っていう絵画をチラ見してみた。ルネサンス初期にこんなにも豊かで近未来的でおぞましい想像力を持ち合わせている人がいたなんて、そこにびっくりする。
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