このレビューはネタバレを含みます
量販店でサングラスを盗み、挑発して逃げる少年マルコム。
家に帰ると立派なお宅で、義理の父の前では大人しく、また母にも静かにしているように咎められる。
すると家に警察官がやってきてスマホを見せ、この件で来た とマルコムがメガネの什器を倒して挑発する様子が映った防犯カメラ映像を見せる。
息子と話して夜に伺いますから…と断りを入れる義理の父親だったが、本人と話せばすぐ終わりますから と中に入り、サングラスは持ってないと言うマルコムに 自室ではと義理の父はもう一人の警察官と席を外す。
そうしてから、実はあるんだ、庭に と女性警察官を案内し、母親が掛けているサングラスを指す。
警察官がサングラスを と手を差し出すのに一歩下がりながら わたしのですよと言う母親に、母さん外しなよ、サングラスを外してと頼むマルコム。
そしてそっと母親がサングラスを外すと、目元に大きなアザがある。
サングラスが見付からない事で庭に声を掛けに来た父親に目を向ける女性警官。
ポケットに入れていた盗んだサングラスを差し出すマルコムと、気不味そうな顔をする義理の父。
暴力に屈してしまい、従順になる事でやり過ごそうとする母と、それを許せずに外から助けを呼ぶために知恵を絞った少年のお話。
最初からの流れで、クッソガキだな～良い家に住んどるやんけ！からの、あっ父親違うんだ…あっ母親食事の時もサングラスしてるんだ…っていう段々 あぁ観えているものはきっとこれではないんだなってなる演出がよい。
そういうモノ として諦め、受け入れてしまっている母を説得して連れ出すのは難しかったんだろうな。
少年にとってはこのやり方がベストだったと。
ただこの母親の目が覚めてくれるかどうかってところが心配ではある。警察官を連れ立ってやってきた息子にどうしてこんな事をするのか という戸惑いが見て取れたんだけど。
ただただ母を想っての行動であった事は警察も母も分かってくれると良いなと思う。
黙って殴られ続ける事で得られるものなんて、経済的な安定くらいできっとそれも長続きなんて絶対しない。
