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窓辺にてのtomひでのレビュー・感想・評価

窓辺にて(2022年製作の映画)
4.0
今泉力哉監督いいな。

「街の上で」で初めて今泉力哉監督作品を観て、その演出に嵌まり機会があればまた観てみようと思っていたので劇場へ。

やはりこの監督が創るセリフとセリフの間合い、微細なニュアンス、独特の空気感がたまらなく好き。喫茶店での会話中に店員が「お待たせ致しました」と入ってくるタイミングでさえ、いちいち絶妙で気持ち良すぎる。このまま独自の感性で映画を撮り続けていけたなら令和の小津安二郎になるんじゃないかとさえ思える(笑)

稲垣吾郎主演という情報を事前に聞いていたのであまり乗り気で映画館には行かなかったが(邦画の場合、有名俳優主演が好きじゃないので) 稲垣吾郎がめちゃくちゃ良かった。俳優としてのステージがワンランク上がったと思う。映画館に行って良かった。

ただ、女子高生作家のキャラ設定がやや薄く感じるのは気になった。映画を回す上での便利キャラとして使われているのが透けて見えてしまう…。同様に売れっ子作家も演じている俳優の力もあるだろうが、やや薄く感じる。それでもパチンコがとても贅沢な遊びだと認識出来たり(笑)かなり満足した143分だった。映画冒頭の喫茶店窓辺でのコップの輝き、美しかった。

「正直である事は必ず誰かを傷つける」
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