いい映画だった。
ライフ誌史上最高の写真家? ライフ誌史上最も厄介な写真家? ユージンスミスの実話をベースにした映画。この映画が制作される以前にユージンスミスの写真展に行った事があり、こういう映画で写真家ユージンスミスの人間性が感じられるのは個人的にとても興味深かった。そしてジョニーデップが主演&プロデュースまでした作品なので彼の意気込みをとても感じた。
======以下ネタバレあり=====
映画としては自分が予想していたよりもかなり客観的視点で語られていたのは残念な部分ではあった。個人的にはもっと写真家ユージンスミスの視点・感情に振り切った映画を観たかったなとは思う。綺麗にまとまった感じがこちらの感情を大きく起こしてくれない。ただ時代的に「水俣」と聞いてピンとくる人も少なくなっているし、アメリカでこの事実関係を知らせる為にはこういう語り方で良かったのだろうなとも思う。
映画の中にインサートされる実際の映像、写真は本当に力がある。映画の深みが一段上がる感じがする。映画を観ながら「ああ、ラストはユージンスミスの水俣の写真の連続で終わるんだろうな、これはちょっと感動するかもな…」なんて思っていたら、世界各地の汚染現場の写真の連続で肩透かしも食らった（笑）ラストはユージンスミスの水俣の写真だけで終わるべきだと思った。
