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湯を沸かすほどの熱い愛のtomひでのレビュー・感想・評価

湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)
4.0
主人公、双葉のキャラクター設定が素敵。
前向きに人生に向き合っている姿に感動する。中野量太監督作品を観るのは「浅田家!」に続いて2本目だが、個人的に相性がいい。他の作品も観たくなる監督。

======以下ネタバレありかも=====

だらしない旦那やいじめられている娘、連れ子やヒッチハイカー、依頼した探偵まで含めて、関わった人々全てを大きく包む双葉の愛情に泣けてくる。双葉自身も苦しみ弱っているのに、全力の愛情と厳しさで人と接するその姿に惹かれる。

命をかけて旅をする設定は北野武監督「HANABI」もそうだが個人的に大好きな設定なので嵌まってしまう。お漏らしした鮎子を抱きしめるシーン、旅先で安澄と君枝が手話で会話するシーンが好き。双葉の愛情の深さを感じられる巧い作り。

双葉を演じた宮沢りえ、とても良かった。
お湯を張っていない銭湯でひとり泣き、真っ暗な銭湯で娘からの電話で気持ちを振り絞って立ち上がるシーンも印象的。真っ青な銭湯のロングショットにスマホの光だけが光るという、客観視点の演出も凄く巧い。

「私は最下層の人間だから…おかあちゃんとは全然違うから…」
「何にも変わらないよ…おかあちゃんと安澄は…」
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