ぴろ氏

窓辺にてのぴろ氏のネタバレレビュー・内容・結末

窓辺にて(2022年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

今泉さんの作品や考え方が好きで、観た。

感想をひとことで言えば
「わかる部分とわからない部分があって、それでいいんだって思った」だなぁ。

自分も正直すぎるところがあるし、浮気されてもショックを受けないかもしれないと思ってるから(そうなってみないとどう思うかわかんないけど)
主人公にちょっと似てるかもって思った。
自分の場合は感情がないというより、好きな人には好きに生きててほしいって思うからかもだけど。

「正直って魅力的」みたいな台詞で
正直な自分のままでいいんだ…!って救われたのと、
タクシー運転手の競馬と馬刺しの話で
矛盾だらけでいいんだよね、、ってグッときた。

茂巳は妻のことが好きなのか?ってなってたけど、紗衣のお母さんを撮る、机で寝る紗衣に毛布をかける、服のボタン?を直す
っていう行為に愛を感じた。

「ラ・フランス」の文章や、窓からの光、
美しかった。

作ったら終わっちゃう、みたいな感覚は
告白できなかった過去の恋を美化したまま覚えてる感覚に似てると思った。
付き合って別れたら、味わい尽くして「終わった」と思えるから
(パンバスの「付き合わないでその人のこと嫌いになれる?」みたいな台詞思い出した)
作品ができるというのは、手放すことでもあるなぁと。

どんなことでも(悩みも、作品作りも、好きという気持ちも)自分の中だけで抱えてるということは、苦しくもあるけど、自分だけで大事にしてるということで
外に出すこと(人に話したり、作ったり、やめたり、別れたり)はすっきりするけど、自分だけのものじゃなくなる寂しさもあるよね。
ぴろ氏

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