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ザ・メニューのmsのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・メニュー(2022年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

ずっと不協和音を聴いているような居心地の悪さの中で進む不気味な映画だった。
社会風刺なんだろうなあと理解はするが、音でビクッとさせる演出で毎回脳がリセットされてしまい、あまり心に物語が残っていない。一連の残酷な行為にももっと分かりやすいオチのようなものを期待してしまった。でもそういう綺麗な着地を敢えてしないのがこの作品の美学なのかも。全体的にちょっとヨルゴス・ランティモスとかジョーダン・ピールとかの雰囲気を感じた。

副料理長の拳銃自殺や池に沈められる支配人、マシュマロとチョコと一緒にスモアにされるゲストたち、衝撃的なシーンの箇条書きを見せられる感じが、レストランでまさにメニューを眺めているような気持ちになる。燻製小屋が出てきた時にこれで人間を燻製するのか?!ヤバ!と思ったら違った。

レイフ・ファインズが素晴らしかったのは言わずもがな、ニコラス・ホルトはこういう何かに傾倒してるアホっぽいインテリみたいな役が本当に上手。アニヤちゃんもやっぱりすごく良かった、劇中ずっと素敵だった。チーズバーガーに食らいつくラストカットがめっちゃかっこいい。劇中で出てくる料理の中でチーズバーガーがいちばんうまそうだった。
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