食べ物を作る側が「相手に愛情でも敬意でも込めて食べ物を提供」し、相手がそれを「食べる行為」が本来の「食事」である、それをしっかり描ききった作品だった。
上流階級の食事との接し方って、タイラーのように作った食べ物を芸術的に五感で受け取っているだけなんだろう。味覚と嗅覚で緻密に計算された料理を味わって、美術品とも言えるような見た目を視覚で消費する。スローヴィクはそれがマジで大嫌いだったのかな〜。じゃあなんで料理作ってんのって話だけど。料理の上っ面だけを礼賛して消費するその皮肉(最早皮肉の範疇を超えているけれど)がコースが進むにつれてありありと見せつけられた。
だからマーゴは本当に計画外で規格外の女性であったんだなあと思う。しかも彼女は招からざる客で「庶民」であったこそ、妙に確信をつくから、スローヴィクは楽しげにチーズハンバーガー作ったのかな…。自身も叩き上げのシェフっぽいし。
料理で身分差と料理の向き合い方を皮肉られるとは思わなかった。配信されたら絶対見る。
