パーフェクトブルーのぴよのネタバレレビュー・内容・結末

現実と虚構が交互に(最早入り乱れて)くるから、どれが本当に起こったことでどれが登場人物の頭の中で起こったことなのか、段々分からなくなりつつも考察しながら見るのがとても気持ちよかった。
未麻はアイドルから女優へと切り替えるなかで性的に見られるよう仕向けられた。その過程の中で未麻は「アイドルをやりたかった自分」と付き合うことになった。
ヤバい未麻のオタク(最後の殺すシーンの声めちゃ高くてオタクの解像度高いなあってなった)はアイドルの未麻を諦めきれずに「偶像崇拝によるアイドルの未麻」に取り憑かれるようになった。あのマネージャーもアイドルを諦めていたのにも関わらず、未麻が女優になったことで行き場のないアイドルへの想いと彼女への憎しみが伴って「アイドルとしての自分」が出てきたのではないか。パーフェクトブルーは、日常である現実、勘違いしてる夢、ドラマという虚構の間を三者三様の「未麻」が駆け巡って撹乱させていたように感じる。(ドラマで出てくる病気と未麻の日常がリンクしているのもよく繋ぎ合わせているなと…秀逸)
何が本当で本物で、何が偽物で紛い物なのか。それがはっきりしないまま、色彩豊かな映像を映像を見ているのは久しぶりの気持ち良い映画体験だった。