食をテーマとしたスリラーでスタイリッシュな予告をみたときからずっと気になっていた作品。このテーマの映画でカニバリズムの方向にいかなかったのは新鮮でした。ただしホラーかと言われればそうとも言えないような、何とも不思議な作品でした。
孤島のレストランに集められた12名のお客達が味わう恐怖のメニューとは…というストーリーは好み。展開の読めないなか緊張感と狂気の高まる雰囲気も好きでした。しかし、私にはこのシェフの明確な目的や意図が最後までよくわかりませんでした。明確に癖のある嫌な客もいれば、そんな理由で？という不憫なキャラクターもいたりして、もっとシェフのカリスマ性を感じるような計画のようなものを期待したぶん、すこし拍子抜けしてしまったなと思いました。色々と意味深な台詞があったので、そこを深く読み解けばもっと楽しめるのかも。私には料理にろくに口をつけず食べるものがないと言う主人公も何となく嫌だと思ったが、シェフがやたらと主人公だけ気に入っていたのは何故だろう。与える側と奪う側ってことなのかな？深いようなそうでもないような、不思議で奇妙なかんじ。ラストのデザートの仕掛けは印象深くて良かったです。
