カラオケ行こ！の伏木のネタバレレビュー・内容・結末

原作未読、試写会で鑑賞。

ヤクザと中学3年生といういびつな2人の熱い友情と青春カラオケ映画。
明るく元気で心優しいタイプの綾野剛。ヤクザなのに可愛らしすぎる。

聡実が組員たちの歌を批評する場面なんて予告でずっと使われていたのに、劇場のあちこちではクスクスと笑いを堪えられないといった様子であふれていた。面白くてついつい笑ってしまう良いシーンだった。

失った（と思っている）狂児を想いながら紅を力いっぱい歌い上げる聡実の姿には思わず涙ぐんだ。歌詞も聡実の心情を吐露しているようで、声変わりで掠れた高音がより感情の高まりに拍車をかけるようでさらに胸にぐっとくる。
齋藤潤、歌が上手い。

しかし合唱部の後輩の和田があっさり聡実を認めて直していたことには少し驚いた。漫画でもこのくらいの描写だったのかわからないが、「聡実が副部長と付き合っている」みたいな話になるシーンも狂児との軋轢を生み出すためだとはわかるが、ややスッキリしない印象を持ってしまった。
テンポがよくて飽きない作品だったからこそ、もっと合唱部に焦点を当てたシーンも見てみたかった。

映画を見る部も魅力的だった。
あんな部活が自分の学生時代にあったら入りたいものだ。

ラストは案外あっけないかも、と思っていたらエンドロール後のオチには笑ったし心温まった。
続きが気になる。

いい映画。原作も読みたい。