名波ジャパン10

カラオケ行こ!の名波ジャパン10のレビュー・感想・評価

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)
4.3
大阪のノリで貫かれたというより大阪のノリのみで作られた傑作。大阪のノリはブラジルのサンバに匹敵する民族特有のリズムであり、大阪市民の生活様式から精神構造までの中核をなしていると常々考えていましたが、それを実証してくれた作品です。原作は人気コミックですが、実写化版で魅了されるのは、ストーリーやキャラクターではなく、テンポ良くかわされ、しっかりオチで終わる日常会話。大阪人にとっては多分当たり前の会話でも、2時間近く澱み無く続けられるともはやこれだけで映画として成り立つ芸術です。やはり大阪市は粉もんウイルスによりお笑い無しでは生きられないお笑いゾンビの街と化している特異都市。綾野剛のカラオケメドレーのオマケ付きな上にエンディング曲のLittle Glee Monsterの「紅」は聞き応え十分。お薦めのコメディです。