このレビューはネタバレを含みます
聡実くん役のオーディション基準は声変わりがどうとか歌唱力がどうとかではなく、全ては『あの紅』が歌えるかどうかだったんだろうなと思った。
原作は2人の関係性だけにフォーカスされた駆け引きのようなロマンス味が特徴のところ、映画は主に聡実くんの青春の一幕なのでラストで狂児が墨入れてるのに唐突感がありそうなんですが、「あの紅」のおかげで説得力が出てると言える。
胸元を強く握りしめながら、子どもから大人に移り変わる最後の火を燃やして捧げられる俺のための鎮魂歌、そんなん一生消えない名前になっちゃうよね。