白豚

カラオケ行こ!の白豚のネタバレレビュー・内容・結末

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

原作も読んだけど脚本すごすぎる。きれいに愛の物語としてまとめられてるんだよな、少年が愛のなんたるかを知って人に愛を与えるまでの物語。原作にはいないももちゃん先生、初見のときは芳根京子かわいいけどこの役になんの意味が?って思ってたけどももちゃん先生は愛の伝道師だったんだ…。原作にない映画部も原作とはキャラが違う両親も熱血の後輩も全部聡実くんが愛を学ぶために加えられた要素だったんだなあ。原作にないギャグも劇場で声出して笑いそうになるほどおもしろいし、紅の歌詞を物語にぴったり合わせてきたし、大阪弁なのも雰囲気合うし。あと原作と変えてるところがいろいろあるのに流れが自然だし原作よりも感情に説得力があるんだよな。あと一番感動したのが、聡実くんが紅を熱唱してる姿を見てる狂児の表情を見せてくれたところ。聡実くん、ものすごい愛を与えてるんですよ。狂児のために中学生活最後の合唱祭をさぼって、宇宙人に絡まれて危ない思いをしたのにミナミ銀座に行って、あんなに怖がってたヤクザ大勢の前で啖呵切って、声変わりで高音を歌うのが苦しくなった声で、狂児がいつも歌ってた高音のキツい紅を歌う。こんなことされて狂児はなにを思ったんだろう、「聡実」の刺青を入れられるくらいだからひどく感動したのは間違いないんだろうけど、どんな顔して聡実くんを見つめてたんだろう。原作では歌い終わったあとに読者にとってもドッキリで登場するから見せてもえなかったんだけど、映画では見せてくれたんですね。観客にとってのドッキリよりも、狂児の感情を見せるほうを優先してくれたんですね。
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