滝井椎野

キラーカブトガニの滝井椎野のネタバレレビュー・内容・結末

キラーカブトガニ(2021年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

これはやられた……。
まさかカブトガニにこれ程までのポテンシャルがあったとは、正直舐めていた。
ここまで望んでいるものを完璧以上に観せられてしまうと、あっぱれ以外の言葉が出てこない。

しっかりとトンチキZ級モンスターパニック映画をやっており、(そうそう、こういうのが観たかったんだよな……)と腕組みをしながら作品を楽しんでいたのだが……。
まさかあの可愛らしいカブトガニが日本の特撮顔負けの怪人キラーカブトガニ、のみならず大怪獣キラーカブトガニにまで進化するとは、いやはや脱帽である。そしてさらには本作一番の見所であるDXシャークロボーーまさか、あんな教育番組よろしくの雑な作業シーンでああも立派な? 巨大ロボが完成するとは実にたまげた。最後のゲロのようなビームや、嫌なところにある搭乗口、哀愁漂う立ち姿等実に愛おしいーーとの怪獣プロレスが素晴らしい。この辺り、結構展開が熱くてつい身を乗り出してしまった。

とまぁ、見所には事欠かない本作であるが、そのキャラクターもまた個性にあふれていて素晴らしい。中でも、ラドゥの存在感たるや。早い段階で死亡するものだと思いきや、最後まで存在感を発揮し、作品の顔であるテーマソングを40ドルで任されてしまうまでの大活躍? をするのだから分からないものである。

語るに尽くせぬ作品であるが、一つ言えるのが続きを熱烈に希望せざるを得ない。あんな衝撃は『猿の惑星』以来だった……というと大袈裟ではあるが、あのキャラたちをこれきりにするのは勿体ない。是非、シャークネードシリーズばりの長期シリーズに期待したい。
滝井椎野

滝井椎野