みや

豚首村のみやのネタバレレビュー・内容・結末

豚首村(2018年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

ロックフェスへ向かう男2人の車に、同じ場所を目指す女2人がヒッチハイクで乗りこんだ。山奥で車が故障してしまい、通りかかった男に小さな村「サンマルティ」へ案内してもらう。
電話は壊れ、携帯電話は繋がらず、村人たちは非協力的。ロックフェスの出演歌手とマネージャーも道に迷った末に村へ辿り着き、6人はモーテルで泊まることにした。
夜が更けるにつれて、村人たちが本性を表していく。

「実録!恐怖の村」シリーズとは一切関係なし。ヒット作便乗系タイトル。
冒頭の説明によると、カタルーニャ地方にはサンマルティ祭の期間、家庭の祝い行事として豚を加工する習慣が何世紀も受け継がれており、現在は禁止されているが地方では密かに続いている、らしい。本当かどうかは謎だけれど、現実にもありそうな因習が残る村ホラーは否が応でも興奮しちゃう。
この映画のサンマルティ村は全体的に古びていて雰囲気が良かった。実際にあるのかセットとして造ったのかが気になる。

結婚を来週に控えた男とチャラい男、結婚寸前で破局した女とピッチ女、覚醒剤と下ネタで盛り上がる歌手とマネージャー。メインとなる6人は誰が死んでも良さそうな面子がイイ感じに揃っていて、誰一人として推せない。本当に全員どうでもいい。

前半からB級ホラーの空気感が全開なのになかなか誰も死ななくて、内容皆無のくだらない会話しかしないから、早く殺られてくれ!と切に願っていた。
かと言って、いざ殺戮パートに入ったら訳がわからなさすぎる!どうしてそうなる。なんでそうする。疑問の連続で思わず笑ってしまった。
意味深だった少女が呆気なく殺されたり、秘密の部屋に隠された女性が謎のまま殺されたり、伏線がまるで回収されない。何も教えてくれない。この消化不良をどうにかして。

結局は村中みんな殺人鬼だったわけだけれど、その中でも特に袋を被った殺人鬼が一番優秀なのかな?村人から随分と信頼されているみたいで、こういう関係性は珍しいからもっと丁寧に描いたら面白くなりそうだったのに。顔を隠している理由が気になる。
目の見えない男が闇雲にショットガンを撃ちまくり、味方(家族?)ばかり殺して一人で嘆いているのが滑稽だった。

主人公の男が「俺は生まれ変わる!君を幸せにする!」といきり立った途端にぶっ殺されるのは予想外で良き。まだ終わるまで時間があったから、まさかそこで退場するとは思わなかった。
「もう歩けない」と泣き言を言って立ち止まったくせに、一緒にいる男が死んだら慌てて歩き出す女、クズだわあ。あのまま逃げていたら彼は死なずに済んだかもしれないのに。

派手なグロもあるけれど、じゅくじゅくじわじわ系のスプラッターが印象深く残った。磔にされた歌手が腹部をぐりぐり抉られて恍惚状態になっている場面が一番好き。ビッチ女のエロシーンより数倍エロティックで素晴らしかった。
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