みや

プー あくまのくまさんのみやのネタバレレビュー・内容・結末

プー あくまのくまさん(2023年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

クリストファー・ロビンは大学進学のため、プーたちを残して100エーカーの森から旅立った。数年後、婚約者と一緒に森へ戻ってきたロビンは、野生化したプーとピグレットに再会する。クリストファーに捨てられた恨みと飢えから、彼らは人間を襲う獣になっていた。友情は彼らを元に戻せるのか?

A・A・ミルンの児童小説「くまのプーさん」が題材。
英語の勉強で原作の一部を読み、その前知識のみで観始めた。思っていたのと違った。ホラー映画なのは知っていたし、こっちが勝手に望んでいたものと違ったという理由で否定するのは良くないのだが、それを踏まえた上でも「なんか違った」。

元々が異種交換で生まれた危険な存在といった設定も、クリストファー少年が「ずっと一生にいようね」と約束したのに出て行っちゃったからプーたちが怒っているという導入も面白い。その怒りのために人間らしさを捨てたとナレーションで言われるのだが、見た目がどこをどうやっても動物の被り物をした人間にしか見えなくて、全く説得力がなかった。ハロウィンのコスプレよりもひどい低レベル。あまりにビジュアルが人間すぎて、実はプーたちの姿を装った殺人鬼集団だった!みたいな裏があるかと期待したのに最後までプーだった。
恐らく見た目がもっとまともだったら、この映画の評価は随分変わったと思う。何をやっても人間にしか見えないから、せっかくの「プーさんでホラー」の魅力が激減してしまった。私はもっとプーさんと触れ合いたいのだ。

襲う側だけじゃなく、襲われる側にも問題が多い。クリストファーがメインのパートがまさかの15分終了!マジかよ!その後はストーカーに怯える女性と友人たちの女6人スマホ禁止旅行が始まり、完全に置いてけぼりになる。クリストファーとプーの友情物語を見るつもりだったのに…。
途中でクリストファーは再登場するものの、メインストーリーは女性陣だったから本当に残念だった。
クリストファーも女性陣も偶然出会った謎の女もおバカすぎて苛々しちゃう。黙って逃げればいいのに叫びまくるから場所がバレるし、武器を見つけたら逃げるのを止めて戦おうとするし、愚かだ。
女性陣の悲鳴が煩いだけで全くそそられなかったのも悲しい。クリストファーの叫びは良かったけれど、恋人が襲われている時は名前を叫ぶだけじゃなく何か止める努力をしようよ。

スプラッター映画において最重要事項である殺し方は、バラエティー豊かで非常に良かった。色々な道具を駆使し、くまならではの怪力を発揮して、知恵と工夫を凝らしながら頑張っている。
クリストファーの恋人の肉を骨から削ぎ、その肉を機械で砕き、血のシャワーとしてクリストファーの頭上から降らせる仕掛けが一番好き。こんなの作る技術があるなら、ちゃんと自活して飢えは解消できると思うの。でもきっと愛情から変化した憎悪は、そういう理屈じゃないんだよね。
せっかく良いスプラッターなのに、暗くてよく見えないのがとても残念。最後に残るグロい遺物は見えるけれど、その形に至る過程が見えづらくて切なかった。私のパソコンの設定の問題だったらごめんなさい。

最後は一体どういうことなの…?よく分からないなあと思っていたら続編があるらしい。これだけボロカスに言いましたが、たぶん観ます。
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