このレビューはネタバレを含みます
シチリアの仕事で負傷したマッコールがたどり着いたのは、アマルフィ海岸沿いの田舎町。心優しい人々の温かさに触れ、傷を癒やしながら徐々に町での生活を好きになっていくマッコール。しかし、この町をリゾート地にしようと手段を選ばない残虐なマフィアの魔の手が町に迫る。美しい町と心優しき人々を守るため、マッコールは正義を執行する。イコライザーシリーズ3作目。相変わらずの最強マッコールさんが悪人をズバズバ殺していく爽快なアクション映画。ただ、アクションシーンは少なめで渋めな作り。デンゼル・ワシントンも歳をとり、派手なアクションは正直違和感も出てくるから、アクションの量はちょうど良かったと思う。美しく温かく、穏やかな港町の情景、マッコールと町の人々との交流、それによる彼の心情の変化、そしてそれらとは対照的なマフィアの残虐非道さ。そういったものを丁寧に描いた上で、無駄のないコンパクトで激しいアクションをズバッと入れてくれるから、緩急が気持ち良い。静かに淡々と進むプロットに合わせるように、アクション自体も無駄な派手さがなくて良い。ただ結構グロくて、マッコールの悪に対してのとことん冷徹な感じが十分なカタルシスを与えてくれる。最終決戦もどう終わらせるのかと思えば、「明日殺しに行くぞ」と息巻いてるマフィアを、その日の夜に急襲して秒殺するという無双ぶり。苦戦して傷を負いながらも勝つみたいなヒーロー的な展開じゃないのがこの映画らしくて良い。コリンズというCIAの女性捜査官とマッコールとのストーリーもちょこちょこ挟まれ、マッコールのカッコよさと茶目っ気が滲み出てた。イタリアの港町の雰囲気も最高。ノスタルジックで優美な空気が漂う飾らない田舎町。こんなところで1ヶ月ぐらいのんびり過ごしたいなーと心の底から思った。2は正直少しがっかりだったけど、3は中々好きだった。
