せた

野いちごのせたのレビュー・感想・評価

野いちご(1957年製作の映画)
4.2
今まで言語化出来てなかったけど、思ったこと・体験したことがたくさん散りばめられてた。心の機微を丁寧に描いた映画だなーと感心した。

タイトルでもある野いちご、これは道中に寄った昔よく遊んだお家にあったもの。野いちごを見て昔の思い出が一気に蘇る。良いことも嫌なことも。
「なぜかはわからない。現在の感覚が薄れ、過去の記憶が鮮明によみがえってきた。まるで現実のように生々しく感じられた。」
この体験、めちゃくちゃある。些細なことがトリガーになって連想ゲームで色んなことを思い出して頭の中が埋め尽くされる。楽しくもあり、邪魔でもある。

で、思い出したことに関わる夢を見る。良いことも嫌なことも表れる。
言われてショックだったこととか、自分の負の感情とかが出てくる。まさに映画の通りの体験してる。

テーマである孤独、孤独との向き合い方より、そっちに関心がいった。もちろん本題の方も良い。
見てよかった映画。

終わり方が予想に反してやけにオシャレだった。
「心配事や悲しいことがあった日は子どもの頃を思い出して心を慰めてきた。今夜もそうしよう。」
せた

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