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香港の流れ者たちのkeinoshinのレビュー・感想・評価

香港の流れ者たち(2021年製作の映画)
2.8
2012年に香港で起こったホームレスの荷物を強制撤去した事件を基にした作品。主役は、主人公のファイ曰く「貧乏人の住む街」深水埗のホームレス達。

何回も旅行に行ってるのである程度香港のことも知った気になってたけど、自分のような観光客が到底知ることない香港の側面が描かれてて興味深かった。万引きとかドラッグとかに手を染めつつも、なんだかんだでみんなで楽しく暮らしてる感じもよかった。

ちょっと残念だなと思ったのは、一つ一つのエピソードの描写が足りてないところが多くて「これ何の話?」って何回か困惑したこと。一番印象に残ってるのは、黒仔が武器を持ってどこかに行こうとするのをラムじいが止めるんだけど、結局黒仔はどこに何をしに行ったのかがサッパリわからなかったし、その後どうなったのかも特に語られずで不完全燃焼。
終盤でも急にファイの目の前にモクが現れて、しかもえらく流暢に話し出したので、最初は親元に帰って失語症が治ったのかと思ってたけど、2人のやりとりで、ラリったファイが見た息子の幻だったって分かるんだけど、それもちょっと分かりづらかったかな。息子の幻とのやりとりでファイの過去が明らかになるんだけど「それ今言う?!」的タイミングだし、それについては全く掘り下げないままラストを迎えるので猛スピードでカーブを曲がる車から体ごと投げ出された気分だった。

ラストの小屋?プレハブ?が燃えるシーン、いくら映画の撮影とはいえ屋外であんなに火柱が上がるほど燃やしていいのか…?ってどうでもいいことが気になった。

余談。
エンドロールで流れる主題歌のメロディーラインが独特すぎて、何十回聴いてもこの曲を習得することはできないだろうなって思った。(習得するつもりはない)
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