友人の結婚式に出席するために北朝鮮との国境にある中国の街・延吉に上海からやってきたハオと、事故でフィギュアスケーターになる夢を絶たれ、現地のツアーガイドで生計を立てるナナ、勉強が嫌で地元を離れ、延吉で飲食店をやっている叔母の手伝いをするシャオ、偶然知り合った3人が延吉で過ごした数日間を描いたロードムービー。
どこがどう、とうまく言語化できないけど、青春!って感じですごくよかった。
それぞれが抱える挫折についての描写はあんまりなくて、本人もしくは周囲の人間から語られる断片的な情報しかないけど、3人がいろんなものから解き放たれて気ままに過ごした延吉での日々の描写が好きだったので、それぞれの過去を掘り下げなかったことはむしろよかったと思った。
強いて言うならナナとハオが体の関係を持たずに、3人はただただ思いつきで日々を過ごす感じだとより好みだったけど、まぁ現実問題そういうことになりますわな、と納得はできた。
なんとなくもう3人は連絡を取ったり会ったりすることはないんだろうなっていう気がするけど、ふと思い出して「あの時は楽しかったな」とか「みんな元気かな」と懐かしむ出来事があるって幸せなことだと思うから、切なさとかはあんまり感じなかった。むしろ羨ましいとすら思った。
ストーリーも映像もよかったけど、個人的に音楽がいいなと思った。
冒頭の結婚式でみんながダンスしてた明るいコンギョみたいな曲と、特に好きだったのはシャオがギターで弾き語ってた『蘇珊的舞鞋(英題:Susan’s Dancing Shoes)』っていう曲。
エンドロールで曲名を覚えて帰り道にApple Musicで検索したら原曲しか配信されてなかったので原曲聴いたら似ても似つかないアレンジで「違ーーーーう!!」ってなった。
劇中のアレンジでフルバージョン配信してほしい、切に。
余談。
ナナ役のチョウ・ドンユイはベースは元乃木坂46の生駒里奈っぽいんだけど、ノーメイクのせいか、たまに江口のりこに見えたり伊藤沙莉に見えたりした。
メガネをかけたリウ・ハオランは東出昌大とKing Gnuの井口に似てるなと思ったし、チュー・チューシアオは大東駿介みを感じた。
余談そのニ。
中華圏の映画は何故にゲロのシーンにリアリティを求めるのか。口から何か液体が出るところを絶対見せてくるのが本当に謎。