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統辞の樹木、範列の葉
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『統辞の樹木、範列の葉』に投稿された感想・評価

✔『統辞の樹木、範列の葉』(4.5p)及び『追憶のエンブレム』(4.1p)『earthearthearth』(3.9p)▶️▶️

 2017年のIFF以来か、世界的俊英の特集上映で、前回から35ミリ作品だけを残し、本邦初上映の待望の新作のお披露目を加えての35ミリ勢揃いとなる。再び圧巻をおぼえる。今回は一週間という事で一般公開作扱い、賞とかの投票の対象になるのか。ただ、作者は勿論日本人だが、拠点はモントリオールで、邦洋画どっちの扱いか。また35ミリ原版上映だが、元々IFの会場·スクリーンは歪んでて劣悪な上映環境に属するが、アナログのプロジェクトターは更に使用機会も少なく·メンテも行き届いてないのか、画面がややトロッと寝ぼけてはいる。
 それでも一本目の作『統辞~』は、今年は観れなくても来年位には観たい、映画史上有数の偉大な作『マルケータ~』に次ぐインパクトを与えてくれるか。牧野貴とブラッケージが融合したような、夢のような極限のイメージの世界である。長いBOもあるが、コマ毎に細かい黒身コマを入れたようなフリッカー·微細ストロボ効果で、林·樹木·幹や枝葉のシルエットめに背後や僅かの正面からの陽光が抜けてくる。映ってるのが針葉樹め?だったりするので、牧野に劣らずチカチカかつ広範に刺し包みくる。フリッカー効果を使いコマ毎に位置がズレたりして、微動してるように見え(樹木の位置が不安定にブレ続けたり、葉群が風でそよぐもどこか不自然めだったり)、退いた絵ばかりか望遠の寄りのカットへも慌ただしく移行もし詰め込んだ後、行き来する。コマ撮りのように前景の樹木が視界を半ば遮ったり·失くなって、後の時はバックの光景が柔らかく深く現れたりする。色が現れ·照り返す要素として、葉の緑·バックの低い草の黄色·陽光自体のオレンジが、画面の部分に浸食し、入り混じり·拡大もしてくる。OL的な交錯·合成のイメージも繰り広げられ、陰気宗教的な牧野の陰と光に、開かれたブラッケージの淡い原色の舞踏と広まりが加わるのだ。シルエット主体の幹にも部分的に光で樹皮が浮き上り、節なのか眼を感じたりもする。前景が退いた時には、明るい黄色めの花を掲げた低い草地の世界は原則的にしっかりとは把握出来ない筈なのに、それらも近い平面に現れ来る。細かな原則性、そんな事もどうでもよくなってくる、研ぎ澄まされた感性と見た事もない挑戦の飽くなさ。やや、神経症的でけたたましく·電子音楽的にすら聞こえる音楽だけはちと耳障りで、牧野さんに倣うより、ブラッケージに準じて無くても良かった(無声)かもしれない。とにかく、究極の映画で、慎ましさと汎ゆる点からの爆発力を抱え込んで、抑えてるのか弾けてるのか感覚が創造目的としての方向が了解仕切れない。接写か望遠めの寄り図が続く時には、イメージがズレとろけ溶けて見えたり、岩盤の結晶のコマ撮りの様に、硬質な動かせない瞬間峻厳な世界の組み合わさりに見えたりする。
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 2本目『追憶~』は、同じくフリッカー効果的に掴もうにもすぐ逃げるかのようにチカチカはしてるが、抽象的な絶対力からやや離れ、色もやや汚れリアルでおとなしくなり、対象自体やカメラの横へ等の動きの生命呼吸感も感じられる、スコープサイズの作。この眼前·或いはこちらが嵌ったような世界は、水中川底なのか、水面岸を見ての滑りなのか、古めかしい汽車からのボヤーッと汚れ霞んだ車窓なのか、生物はどれ位主体的にうごめいてるのか、切替えや動感や多重露光感で特定はできないが、艶かしく妖しく確かな棲んでるわが身を包む世界と、半ば溶け崩れんかの動きが通底してきて、その流れ感覚は得難い。素材自体も、アダログビデオをコピー重ねた様なエッジが少し壊れ曖昧で色調も薄れた様なものもあって、より不確かな世界·手つきの過程の見える世界となってる。前作より、余裕と懐ろ、自分のコントロールを半ば世界と素材の現存の側に預けた感。映画の通常のリッチ感の対極にあり、同様·それ以上に内から存在自体、豊かで優れた作。再撮影作の手つきの衣やらしささえ消え、より穏やかで無理かない。
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  今回初お目見えの3本目『earth~』は、細かくチカチカした細かな黒身入れを排して、より色彩加えや形整えの、刺激よりも内からの充実を測ってるかの様な作で、これまでの対象要素も残ってるが、その中から地平線、地と空、陽の蠕きと影響にウェイトを置き、退いた絵中心に世界の全体と対してく。奥山さんの最高作のようにフレームを2~3に横に切っての合成というより厳然複数世界·時空の繋ぎ合わせの剛力·神力も現れる、流れで自然に。無理のなくも壮大でアニメ以上の真のなめらか落ち着きをもつ、色や形·光感の整え·現実を越えた定着力。前作迄の点滅による眼の洗われはなくも、対象に対す手つき自体に確信·信念が生まれてる。アニメよりも実写よりも、微妙に変移し確定の流れを感得してける、ニュアンス·エリア·トーンの変化を体験できてく。幾つかの光景を挟みで直線的に切って組み合わせたような、しかもそれぞれの部分の繋目に近い所のかなりは強い光色で半ば人工的に染められ、かつ繋ぎめは時にエッジが太線のように書き換えられた様に、彩られてる時もあり、自然と人間の手つきが極めて、操作と被写体自体の境目への、確信を現し続けてく。同じ手法の精度を高めてゆくのではなく、手法というより、作品化以前の人としての視界のアプローチ自体を変えて世界を拡げてく。上映時間は10·20·30と段々長尺化していったが感覚的にはその逆の長さを感じていった。1本目のあまりに多彩·高密·大量·刺激的でまた、卒倒しそうになった余波のせいか、普段21時過ぎには徹夜はきついのでこっそり違反の仮眠を2時間くらい取ってる習慣でうとうとでもしたのか、或いは、作者の手法の刺激·啓発を自ら感覚的に止めどなく追うことから、対象自体への執着に溶け込んでいったせいか、定かではない。
ヴァイオリンの奏でる音の響きに耳が晒され、あまりに音の激しさに耳の周りを少し覆いながら鑑賞するという映画鑑賞史上初の体験をした。しかしその響きは決してただ不快な痛痛さではなく、恐れと慄きが感じられるものだった。
そもそも論になってしまうが点滅と不安定な音楽が苦手だった。行ってみたかったレストランをよく調べもせず勢いだけで訪問し本日のおすすめランチを頼んだら苦手な料理が盛り合わせられていた感じ。自分は実験映画向いていないと知った。おわり