せっ

エゴイストのせっのネタバレレビュー・内容・結末

エゴイスト(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

それも愛、これも愛、きっと愛。

編集者として働き比較的裕福な暮らしを送っているゲイの浩輔と、シングルマザーの母親を養いつつパーソナルトレーナーになる夢を追う若者龍太が恋をし、龍太の母も混じえ共に過ごしていく話。

このエゴイストというタイトルは、生活の苦しい龍太にお金を渡し、さらに龍太の死後も龍太の母に生活費を渡し身の回りの世話までする浩輔を皮肉ってるのかなと終盤まで思ってたけど、ラストカット後のエゴイストの文字を見て壮大な敬意と愛を込めた表現なんだと思った。

普通に傍から見たら金持ってるおじさんゲイが若いイケメンを飼ってるように見えるし、龍太を支援するのにお金を渡す以外違う方法あったのではとも思う。さらに、私なんか心が汚いから、最初、大変な身の上を出会ったその日に話し、高そうなお土産をやっぱ買えないと呟くあざとい龍太に、お前まさか美人局では?と疑っていた(笑)

でもそういう邪険な考えを、登場人物(特に浩輔)に極度に寄ったカメラが徐々に払拭していく。この、めっちゃドアップにほぼドキュメンタリーのような登場人物たちの自然すぎる会話が、見てはいけないものを見ている感覚になった。浩輔と友達でもないのに、こんなの見ちゃっていいの?!みたいな(笑)だから、浩輔と龍太、浩輔と龍太の母親の関係って他人ごときがとやかく言って介入できるようなものなんじゃねえんだよ、と言われてるような気持ちになった。

何故かお金が介入してくると急に胡散臭く感じるけど、人にお金渡せるって相当愛がないと無理だよ。元は他人の人からのお金を受け取れるのも愛がないと無理だね。

というか、鈴木亮平のリアルゲイにしか見えない演技凄かった。浩輔がゲイ仲間と飲むシーン、多分周りリアルゲイの人っぽいのだけど全然馴染んでたし。トレーニング通ってるのに食べちゃう言い訳、「勝手に口に入っちゃうからもはや被害者」って言ってるのが1番"らしく"て1番好きなシーンかも(笑)
せっ

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